こんにちは!inokomochiブログです。
少し前のお稽古のこと。7月は名水点をみていただきました。忘れないようにメモ。
特別な道具、釣瓶のこと。
- 水差に釣瓶(つるべ)を使う。
- 名水といわれるお水でお点前。
- 木地の釣瓶(つるべ)にしめ縄をまく、紙垂(しで)は前後2本、サイド1本のあわせて6本。このしめ縄が名水が入っている、つまり【名水点】の目印。なお、塗りの釣瓶はお稽古用。さらにしめ縄を外すと通常の水差としても使える。
- 釣瓶はミ、フタともに使う前にたっぷりと水にひたして、金釘の金気が木地の目に沿ってにじんでいるのが良い。(畳が水浸しにならないか心配。。。(笑))
点前(濃茶点前)
- 濃茶でお点前が基本だけど、薄茶でもできる。
- 基本は運び点前。
- 濃茶で茶杓を引いたのちの総礼後、お客から名水所望の声がかかるので受ける。そのあと建水すすめて居ずまい正す。
- 茶入、茶杓清めて定座へ、茶碗を点前にひき茶巾を釣瓶フタ上に。左手にもっていた帛紗は右膝前へ。
- いよいよ釣瓶のフタへ。右手で左側フタ向こう側をてまえに引き手掛かりをつくる。手前に手掛かりができたら両手で手前に引き抜き(ミとフタが水気でくっついているので引くしかない)、残り2㎝のところで右フタへ移動させる。そのまま奥へスライドさせる。手がかりを残しておく。
- 回し飲みのため人数分の水を茶碗へそそぐ。柄杓は竹蓋置の上に戻す。
- 定座へ茶碗を出す。(楽茶碗でない場合でも古帛紗は添えない)
- (お客は茶碗を取り込んだら総礼をして頂く。お詰がお点前さんへ茶碗を返す。)
- 戻った茶碗を取り込んで、総礼。
- 右膝前に仮置きした帛紗を使って釜のフタを開けて、お湯を一杓茶碗へ。すぐに捨て、次の一杓で茶筅通し、濃茶点前へ。この辺りで名水のお尋ねがお客からあるので、手を止めずにお答えする。
- しまい付け後、道具を拝見に出したのち、柄杓と蓋置を釣瓶に飾る。男性なら釣瓶を水屋へ持ち帰っても良いけど、女性だとちょっと重いし見栄えが悪いので、飾ることで「持って帰らないけどおしまいです」の合図になる。
お点前の感想
関東地方は名水が湧く場所が少なく、先生でも水を汲みにいったことはないそうです。
少し前までは明治神宮に加藤清正公ゆかりの名水があった、らしいのですが。
本場京都ではあちこちに名水があるようです。ウフフ、と思ったのは宇治の名水の話。宇治川にかかる橋の3番目の橋げたの下に、ぐるぐると渦巻があって、そこで汲んだお水がとてもいいのだとか。これ、前の教室の先生からもお聞きしたことがあるので、お茶道界の都市伝説なのかもしれない。
名水点。しっとりと水をふくんだ生地の釣瓶が、涼しい風情をだしてとても爽やかなひと時でした。お客のために朝早く起きて清らかなお水を汲んでくるなんて...お客になったらとても有難い趣向です。でも自分はちょっと恐縮してしまうかもしれない。
お点前になってもお客になってもお水の気配がたっぷり感じて、爽やかなすがすがしい空気を味わえる、夏らしいお点前でした。