許状なくお稽古することの意味。長くお稽古するなら、なんだかもったいなく感じる。

茶道
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こんにちは!inokomochiブログです。

わたしは裏千家で許状というお稽古の各段階を学ぶ許可していただく許し状を先生に取ってもらいました。入門から3年、まだまだ初心の段階を学んでいます。

とりあえず半年ほど教室に通うと、許状の話が出てくるようなのですが、素直なわたしは先生の勧められるまま許状を取ったのでした。そして許状を取って最初にいいことがあったのは、京都の『宗家訪問』に行くチャンスがもらえたこと。家元は重要文化財ながら一般公開しないのでたいへん嬉しかったです。あとは、裏千家の交流団体、淡交会の下部組織に入会できるようになったので、ほかのお教室の生徒さんとのつながりが増えたこと、実践経験を積む場が増えたことでした。

宗家訪問はいまでもとても良い思い出です。ひとりで京都まできものを来て出かけたのですが避難勧告が出るほどの台風の日でした(笑)。家元はそれでも開催してくださり大おもてなしを受けたのでした。家元ってなんだか雲の上の存在だと思っていたのが、訪問したことでとても身近に感じられて自分もその末席に連なったのだ、という感動をいまでも思い出します。その後も家元の先生方や、当代家元のお父さま・大宗匠に間近にお話をしていただく機会があったりと、許状をとったからこその体験を沢山させていただきました。

裏千家の門『兜門』

許状をとりませんか、と教室の先生方は必ず聞いてくださいますけど、お断りになる方もいます。自分の楽しみだけにしておきたいからいらない、という理由の方もいらっしゃたし、飲食店にお勤めでお作法を身につけるのが目的なので許状までは不要という理由の方も。もちろん許状がなくても先生は同じようにお稽古してくださるので、支障はあまりないかもです。

許状がない場合はどこまでお稽古ができるのだろうなあ。

基本的な薄茶と濃茶の点て方まで、なんだろうか。お茶道のイメージは千利休の草庵の茶、侘びのお茶だと思うのですが、もともとは室町時代、渡来ものの道具(唐物といいます)が珍重された華やかなの武家の茶なのです。基本のお点前は利休居士の侘茶なのですがこれをマスターすると、次は唐物の扱い方や貴人へのお茶の点て方など武家のお茶、つまり応用編に進むことになります。この応用編までは教科書も市販されているので、ここまでは許状がなくてもお稽古してもらえるのでしょうか?

その先は『奥秘』といって、先生と相対したお稽古が始まります。着物を着て畏まってお稽古していただきます。社中といえども関係ない人は見学も許されません。

奥秘の種目をすべて身につけていよいよ『茶名拝受』、家元のお名前を一文字頂いてお茶人としての名前を名乗ることができる、とされています。入門からだいたい7年くらいで茶名拝受まで到達できるように、と裏千家ウェブサイトには書いてありますが、そこはひとそれぞれ。

京都で6月にいただいたお菓子『青梅』

侘茶がわかればいいかな。。。

なんて最近まで思っていたのだけど、先輩にいわせると「もったいない」なのだそうです。せっかくお稽古に毎週通って、時間もお金も使っているのに茶名拝受を目指さないなんて、という事でした。お稽古に通っていても何か形にのこるわけでもない、許状を持っていたとしても『入門』レベルでは話にならず、『茶名』を名乗れてお茶の世界では認められるのです、という事でした。

大きな段階としてはあと3つで茶名拝受までいくらしいので、自分はいましばらく真面目に取り組もうと思ったことでした。古臭い話なのに、なぜ素直にそう思ったかというと、教えてくれた姉弟子がとてもステキな先輩だったから(笑)。こんな大人になりたい。

何十年も通っていても

今の教室は40年以上先生に師事しているお弟子さんが多くて、すでにお弟子さんを取っている先輩もいらっしゃいます。なので先輩方はみなさんお茶名をお持ちの方なのだろうと思っていたのでしたが、なんと!40年以上お稽古に通っている先輩で、許状を持たずにいる人がいるのがわかりました!男性の方なのでお仕事が忙しかったのかな???それにしても40年という長い期間、教室に通っていて、年数からいえば茶名なんて通り越してさらに準教授、正教授まですすんでいてもおかしくないのに。お弟子さんを持って自分の教室を開くことだってできたのに。個人の考え方なので他人が口を挟む必要はないのですけどもね。この話を聞いた時は、さすがにわたしでも「もったいない。。変わってるな」と思いました。もったいないのはお金というより時間がです。40年のお稽古キャリアがあったとしても、今から申請できる許状は『入門』。。。

というか40年どんなお稽古していたのだろ。。許状がないということは同門の交流や研究の機会がある淡交会の会員にも入ってないということ?うーん、なんか不思議。ここまできたら『入門』から許状を取るなど、淡交会に入るなど、プライドが許さないという境地になるのでしょうか。よくわかりません。

同じ時期の京都のお菓子、これも梅ですね(⌒∇⌒)

なんだか、ふるくさい、あたまの固い人みたいな投稿になってしまったような気がする。。

お茶道なんて礼儀作法の塊だから古臭いのはしかたないのか。きちんと基本ができたうえで、自分の、らしいお茶スタイルを固めてゆけたらいいなと思います。

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