今の古いものは当時はナウいもの。樂茶わん。

茶道
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こんにちは!

inokomochiブログです。

前回、楽茶わんの話をしたのですが、今日はちょっとだけ深掘り。

楽茶碗というと手捻り成形半筒型の低温で焼かれた黒または赤釉のお茶碗のことを広く指します。

さらに狭義では、長次郎から続く系譜の楽焼宗家の楽吉左衛門が焼く楽茶碗を指します。

楽家は、三千家へお道具を納める千家十職のひとつ。初代長次郎から400年間、延々と茶道の楽茶碗を作り続けて当代は15代楽吉左衛門氏です。

長次郎茶碗は大変名物が多く、、、というのも当然で、長次郎が生きた桃山時代には利休さんが現役でお茶の宗匠として活躍していた訳だから、利休さんの美意識をそのままお茶碗に写しとっていたはず。

長次郎茶碗の銘、大黒。小ぶりで肌はかっさかさ。。エクボがチャーミング。

こんな古いカセた茶碗ですが、実際に見ると目を離せないオーラがあるんですよね。なんなんだろう。

長次郎茶碗の銘、無一物。

今の楽焼は釉薬がかかっていて艶々としているものが多いので、長次郎もそうだと見るまで思い込んでいた。。。予想は大外れ。カッサカサじゃん。。。

装飾も目を引くデザインもなく、ただただ利休の手のひらに添うだけの究極の素のかたち。でも、意匠をそいでそいで、削ぎつくした茶碗のなかに、逆に静かな熱が浮かび上がるのですよね。それが激しく気持ちを揺らすのかもしれない。ドキドキ。。。

室町から桃山の唐物絶賛の鑑賞文化の中で、デビューした長次郎の寂びた茶碗は目立ったことでしょう。でも目の肥えた当時の茶人なら、この烈しさがわからない人はいなかったのじゃないかな。当時でも今焼と呼ばれていたと言うけど、現代語ならきっと、アバンギャルド、です。(^^)。

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