裏千家の許状とは。わたしの思い出。

茶道
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こんにちは!inokomochiブログです。

わたしの通う裏千家茶道教室は、6月に入っても再開のお知らせはありません。コロナウイルスめ。テーブル点前も良いけれど、そろそろ畳に座って背筋をのばして集中したい。。。と思うものの、お点前のあいだ正座をキープできるだろうか。やや不安。

今回はお茶道お稽古歴が長くなると、なにかと耳にする『許状』について。『許状』とは裏千家の場合、お稽古の各段階ごとに学ぶことを許可する許し状のこと、であり、身につけて学び終えた証、修了証やライセンス(免許)を意味するものではない、とされています。師事する先生から家元へ申請していただき、発行されると先生が家元の代わりに授与してくださいます。

裏千家の許状は『入門』から数えて16種目あります。15種目でお茶名、修道を重ね資質を備えたということで家元から茶人としてのお名前を頂戴することとなり、16種目すべて学び終えると準教授の資格となります。公開されているお点前はすべて学んだということになり、このあたりでお茶教室の先生を始める方が多いように思います。そしてさらに、16種目が準ということはその後に正教授もあり、さらにその上には名誉師範という資格もあります。

なんの下調べもせず許状のこともわからず習い始めてしまった私でも、先生から許状のお話があったときは嬉しかった~!通いだして1年近く経ったころだったかな?同じ時期に入ったお仲間と一緒に、そろそろ『入門』の許状をお家元に申請しましょうということになって。ボーダーラインをクリアしたとか合格したという訳ではないのだけどなんというか、先生に気にかけて頂けた、という嬉しさでしょうか。1年間、不器用ながら稽古も着付けも頑張ってよかった、、、とウキウキとしたことを覚えています。

でももともとは、礼儀作法が身につけばよい、という目的だったので許状が必要なのかというと、迷いもありました。正直、申請にはお金もかかる。。。別に要らない、という気持ちもなくはない。。一緒に申請するお仲間のみなさんもそんなに積極的でもなく、それでも先生に勧められたからこの際お願いしようか、といった空気感でした。表立って「許状は不要です」というようなとがった人も現れず、まわりと同調して流れで申請することになりました(笑)。

そうして申請していただいた許状は全部で8種目。教科書としてお点前手続きが編集され一般にも市販されている内容のすべて分でした。いつかこんなお点前をすることがあるのかしらと思いつつも有り難く頂戴しました。

申請からしばらく経って、許状が届いたとのこと。先生の自宅教室のお茶室で、利休居士の座像が描かれたお軸を前に総勢6人で引継式をして頂きました。一つ紋の色無地に二重太鼓の正装をして伺いました。晴れ着のお若い方もいらっしゃった。式の後はお祝い膳も頂戴して。懐石の食べ方なんてわからないから先生にひとつひとつ教えていただきながら頂きました。赤い盃にお祝酒を注いでもらっても飲み方に約束があるのかと思って全員で躊躇。「三々九度じゃないのよ~好きにお飲みなさいな(笑)」とニコニコと先生に促されたことでした(笑)。三々九度(笑)。そして先生お手製の煮物碗、海老しんじょうの美味しかったこと!「お料理は苦手なんだけど」とおっしゃっておられましたがご多忙中の多忙のなか、わたしたちのために準備をしてくださったお気持ちが、温かく温かく染み渡ったことでした。

許状を取って何が変わったかというと、お稽古に対する気持ちに不真面目な部分がなくなった、というのが一番でしょうか。「許状に負けないようにね」と先生方からよく言われましたね。。。正式に入門したのですよ、っていう周囲の静かな圧力。許状を取って以降は先生の指導も以前に増して熱が入るようになりましたし。誤解したまま覚えることのないように細かく丁寧に、点前のことだけではなくお花やお軸や日本の季節行事にまつわるお話などもしてくださるようになりました。

稽古中に気になったことを後で調べて、その背景を知る度にお茶道の奥深さに引き込まれて。そういう良い循環が生まれたことは許状を取ってよかったなと思います。

わたしのように県外転居で教室を変更するときにも許状は役立ちました。四ケ伝(8種目め)まで持っている、と言えば新しい教室でもなんとなくの習熟度をはかってもらえるから、スムーズにお稽古場にも馴染めたように思います。

まだまだわたしの許状の思い出はありますが、長くなったのでいったんここまで。続きはまた近いうちに。許状を取らずにお稽古する場合のことを書いてみようと思います。

掲載の写真はすべて裏千家ウェブサイトよりお借りいたしました。http://www.urasenke.or.jp/index2.php

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